綿は古くから日本人に親しまれてきた素材です。
綿の繊維はネジレをもち、それが弾力性と繊維績層によって保温性を高めています。
綿(コットン)ふとんは、保温性、吸湿性があり、日干しによるかさ高性に富んでいます。
コットンは繊維が中空の構造となっており、しかも1本1本の繊維が天然のよじれをもち、適度な硬さと弾力性を作り出しています。
また、中空で天然のよじれをもっているため、日干しすることにより吸収した湿気を放湿するとともに、ふっくらとよみがえり(回復力)、保温性を高めます。
敷きふとんには、寝返りの打ちやすい適度な硬さとクッション性をもつインドやパキスタン産のデシ綿(繊維が太く短いもの)が使われています。
また、掛けふとんには繊維が細くて長い特徴をもったメキシコやアメリカ産などの綿花が、肌添いが良いことから使われています。
用途別に分けると、掛けふとん、敷きふとん、座ぶとん、こたつふとんなどがあります。
掛けふとんの中には、通常の掛けふとんと、肌掛けふとん、夏掛けふとんがあります。
また、敷きふとんでは通常の敷きふとんに加えて、ポリエステルの固わたを中芯に使ったものなども開発されています。
さらに、掛けふとん、敷きふとんともにポリエステルとミックスしたものがあります。
選ぶ際には、まず品質表示ラベルで詰めものが「綿(コットン)100%」であるか、綿とポリエステルとのミックスであるかなどを確認し、さらに全体の仕上がり状態などの外観を確認してください。
また、綿(コットン)ふとんわたには、かさ高や弾力、白さなどの品質によってJIS規格の商品もあります。
品質の良い綿(コットン)ふとんは、打ち直しによって再生することも出来ます。
綿100%の詰めものは、保温性や吸湿性、弾力性等に優れており、また綿とポリエステルのミックスは、かさ高性、弾力性に優れております。
綿100%、綿とポリエステルのミックスも、どちらも綿の品質が決め手となります。
また、綿とポリエステルとのミックスの割合は、一般的に掛けふとんの場合は綿とポリエステルが50%ずつ、敷きふとんの場合は綿が70%、ポリエステルが30%位です。
いずれにしても、信頼のおけるお店でお買い求めください。
使用しているふとんが、日干しをしてもかさが回復しなくなったら、打ち直しをする時期がきたとかんがえてよいでしょう。
良質の綿花を使った綿(コットン)ふとんは、打ち直しや丸洗い(クリーニング)をしながら使用すると、10年くらい快適にお使いいただけます。
綿(コットン)ふとんの打ち直しは、長年使用して硬くなったわたを機械で解きほぐし、ふっくらとよみがえらせる加工です。
加工段階で、わたの繊維が短くなり重量が減りますので、新しいわたを足すとともに、ふとん生地を新しいものに替えて仕立て直すものです。
一般的に掛けふとんで5年位、敷きふとんで3年位が打ち直しの目安で、打ち直し回数は2回位が限度です。
綿(コットン)ふとんは長い間使用していますと、日干しをしてもふっくらしなくなる場合があります。
わたにも寿命があり、ヘタリが生じて、綿そのものが相当傷んでいる可能性があるからです。
ふっくらさせるには、打ち直しやふとんの丸洗いをすることも一つの方法です。
現在はふとんを丸洗いすることができます。
汚れや汗による塩分、雑菌などを洗い流すとともに、付着したダニを死滅させるなど、丸洗いによって衛生的にお使いいただけます。
ただし、クリーニングする場合には専門業者か、寝具専門店にご依頼ください。
ご家庭での水洗いは、ウォッシャブルと表示してある薄いもの以外はお避けください。
綿(コットン)ふとんは、天気の良い日には、午前10時~午後3時位の間に片面を2時間くらい日に干してください。
吸収した湿気を放出して、ふっくらとよみがえり、弾力性、保温性をとりもどします。
また、ふとんのカバーはこまめに洗濯をしてください。
長い間保管する場合は、日に干してから通気性の良い押入れの上段に保管してください。
長期間保管しますと臭い等がこもる場合がありますので、再びお使いになるときは日に干してからお使いください。ふっくらとよみがえります。
また、保管中でも時々日干しをして乾燥させてください。
コットンは、自然の中で生産と還元を繰り返す植物繊維です。
地球上の綿畑で1年間に、18億トンの二酸化炭素を吸収し、13億トンのきれいな酸素を生み出し、大気の浄化作用を行い、地球を守る一翼を担っています。
また、コットンはリサイクルにも最適な繊維です。